模倣品対策の施策一覧
- 税関水際対策
事前に製品リストを税関職員へ提示し、製品の特徴を伝えるなどして製品通関時の取締まりを強化する対策です。 - ECサイトの模倣品対策1(警告状発送/調査/摘発/訴訟)
ECサイトに掲載された商品写真や消費者のクレーム内容から模倣品の疑いのある店舗を絞り、まずはサンプル品を購入します。製品の真贋鑑定後、模倣品である場合は出品ページをオンライン公証するなどして証拠を残します。侵害状況やお客様のご要望に応じて、①相手の住所がわかる場合は内容証明(警告状)を送付する②訴訟提起する③調査員を派遣して調査し侵害証拠を集めて公安と連携して摘発する等の対策が可能です。 - ECサイト模倣品対策2(プラットフォームへの申し立て)
ECサイト上での模倣品販売はもちろん、正規品であっても無断で商品写真や商標を使用している非正規流通商品も対象として調査・対策可能です。大規模な模倣品製造が疑われる場合は前述の「調査/摘発/訴訟」がお勧めですが、そこまでの対策を行わない場合は、ECプラットフォームに対して申立てを行い、権利侵害ページのURLを削除するよう求める対策も可能です。
権利侵害の状況を調査
模倣品オンライン調査
中国 EC サイトで流通している模倣品を網羅的に調査することで、お客様の権利侵害状況を確認することができます。また、出品記録を証拠として残すことで、その後の権利主張の基礎とすることもできます。
また、最近では化粧品の模倣品をNMPA承認がされてしまうケースが見受けられます。このように公的な機関の正式承認を得た模倣品を見つけた場合、早期の対処が必要です。そのまま放置すると正当な権利者の中国国内での権利主張が認められなくなる(認められにくくなる)といった弊害が生じます。
代理購入
中国 EC サイトの商品を購入して、模倣品が存在するかどうか、模倣の程度を確認する必要があります。 海外から中国 EC サイトで購入することが容易でない場合は、弊社にて代理購入を委託することも可能です。
現地調査
権利侵害者がオンラインショップだけでなく、オフラインショップでの販売も行っている場合、権利侵害の実態を把握するために、オフラインショップを訪問して調査を行う必要があります。
弊社にオフラインショップの調査をご依頼いただく場合、弊社の提携事務所の弁護士または調査員が現地で調査し証拠収集を行います。
権利侵害者への具体的対策
1) 権利侵害者に警告状を発送する
メリットとデメリット
- メリット:
権利侵害者が警告を受け入れる態度であれば、代理人を通じた両当事者間のコミュニケーションの後、権利侵害者に模倣品の自主的な撤去をさせることができる可能性があります。 - デメリット:
もし権利侵害者が警告を拒否し、模倣品の撤去に応じない場合、他の権利保護手段を取るしかありません。また、警告が届いた時点で、権利侵害者に「日本の正当な権利者が侵害を知った」という事実が伝わるため、こちらが訴訟等の手段を取る前に侵害行為の証拠隠滅等の対策をとられる可能性があります。
2) 権利侵害者へ警告状を発送する方法
権利侵害企業に対し、中国弁護士から警告状を発送することが有効です。
弊社では、中国提携弁護士から警告状を発送し侵害行為を止めさせた複数の実績があります。(しかしながら、警告に全く応じない侵害者も多く、警告だけで解決するケースは限られています)
弁護士に依頼する メリット
弁護士は、権利侵害者とのコミュニケーションの過程で、より適切に法的根拠を示すことができ、弁護士の介入が権利侵害者の抑止力となることも期待できます。
警告状の発送よりも費用を抑えることができるというメリットもあります。
模倣品が販売されているECプラットフォームへの申し立て
メリットとデメリット
- メリット:
プラットフォーム側が模倣品と認定した場合、該当出品ページが閲覧できなくなるため、侵害行為をやめさせることができます。加えて、権利侵害者は短期間で模倣品を再びオンライン店に掲載することができなくなるため抑止力に繋がります。 - デメリット:
模倣品が複数のプラットフォームや複数のオンライン店に掲載されている場合、各プラットフォームに連絡し、模倣品撤去を申し立てる必要があります。また、この方法では、権利侵害者が別の店を開いたり、他のプラットフォームで侵害行為を続けたりすることを防ぐことはできません。模倣品の撤去はプラットフォームの判断に基づくものであり、侵害の事実を認めさせるための資料提出等に時間と手間がかかるケースもあります。
プラットフォーム事業者への侵害の事実の申請方法
正当な権利者、もしくは弊社のようなコンサルティング企業や弁護士が委託を受けプラットフォーム事業者に侵害の事実を申請することが一般的です。
弁護士に委託する場合、侵害の証拠を整理し、関連する法令を引用して申請書類を作成するため、プラットフォーム事業者は弁護士からの侵害申請を重視する傾向にあります。
行政告発と刑事告発
1) 行政処分
- メリット:
生産工場に摘発が入り、侵害が認められれば在庫が没収されるため、権利侵害者に大きなダメージを与えることができます。また、権利侵害者を比較的短期間で処罰することができ、侵害行為の停止という効果を得ることができます。 - デメリット:
比較的罰則が軽いこと(罰金または模倣品の没収)、お客様が中国で知的財産権登録(商標、著作権、特許)を有している必要があること、損害賠償金を得られない、複雑な案件には不向きであること等が挙げられます。
2) 刑事告発
- メリット:
重い罰則(罰金、模倣品の没収、権利侵害者の逮捕)を科すことができます。 - デメリット:
刑事告発に時間がかかり、模倣品が一定の規模以上でないと告発が見送られる可能性があることが挙げられます。(例えば、模倣品が有名製品である、模倣品の数が膨大である、模倣品の売上が膨大であるなど)
訴訟提起
メリットとデメリット
- メリット:
権利侵害者による侵害をやめさせる強制執行力があり、損害賠償請求を行うこともできます。
勝訴の報告をサイト等で告知することで、ブランド評価を維持し、かつ、その後の侵害抑止効果が期待できます。
行政摘発、刑事告発に比べ、地域保護主義的な傾向が低く、裁判所が高度に専門化されており、複雑なケースにも対処できます。 - デメリット:
訴訟期間が長くなる可能性があります。
訴訟の依頼
権利侵害事件の経緯や関連する証拠資料を基に、中国提携弁護士が訴訟提案を作成します。提案された訴訟案を選択した後、弁護士は選任を受け、弁護士は証拠資料を整理し、起訴状、証拠一覧表などの訴訟資料を作成し、裁判所に訴訟提起します。